シラバス詳細

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タイトル「2025年度」、カテゴリ「全学共通教育-キャリアデザイン科目」

科目情報

科目名

ワーク・キャリアⅠ

講義名

ワーク・キャリアⅠ〈社会・福祉〉

クラス

01

担当教員

佐野 未来、油井 和徳

実務経験のある教員による科目
配当

全2-4

キャンパス区分

成城キャンパス①

開講学期

前期

開講時期

曜日・時限

水3

科目種別

講義・演習

単位数

2

講義情報

英語科目名

Work Career I

副題

ライフ・キャリアにおける社会システムとその影響、多様性の尊重、社会的包摂、社会正義の重要性について学ぶ

授業の内容

本科目では、社会福祉の概念や役割についての理解を踏まえながら、ホームレスや社会的孤立の事例を中心に講義する。貧困や社会的孤立についての支援制度・政策における課題、課題解決の取り組み、当事者の声といった具体例などを通じて、多様性の尊重、社会的包摂、社会正義について考察する基礎知識を提示する。学生は、それらを踏まえながら、社会を構成する当事者として、多様な価値観が尊重され、誰もが包摂される社会とはどのようなものなのかを考え、自らのライフ・キャリアを自覚的・創造的に構築していけるようになることを目標とする。
【実務経験のある教員等による授業科目】
科目は2名の教員が担当する。
佐野はホームレス問題解決のためにイギリスではじまった社会的企業「ビッグイシュー」の日本版創業に参画、ホームレス状態にある人たちが路上での雑誌販売という、すぐにできる仕事の提供と、当事者が生活再建をしながら社会変革の牽引役となる仕組みを構築。
現場での経験をもとに、社会正義や多様性の尊重や包摂社会(Inclusive Society)の重要性について、多様な事例を紹介しながら授業を展開する。
油井は、かつては東京の高度経済成長を支えた日雇い労働者の街「山谷地域」で、社会的に孤立しホームレス状態など生活に困窮した方が「ひとりではないと感じ、笑顔を取り戻す」ことをミッションに、つながりとコミュニティづくりをつづけるNPO法人山友会の理事として活動。単身・高齢の生活保護受給者の多く暮らす地域となった同地域において、居住支援・生活支援と社会サービスの事業者が連携し、安定した住居と生活、及びよりよい医療・保健・福祉サービスを提供するネットワークの形成を目指す「山谷」地域ケア連携をすすめる会の事務局も担う。

到達目標

本授業では下記 5点を到達目標とする。
1. 現代社会をとりまく諸問題について、必要な情報を能動的に収集・読解・解釈することができる。
2. 授業を通して自己の価値を発揮し、他者の価値を引き出し、場に貢献できる。
3. 社会包摂(social inclusion)および包摂社会(Inclusive Society)とそれらの重要性について理解し、言語化し、行動することができる。
4. 授業を通して、多様な人生の背景やそれに影響を及ぼす社会課題とその要因について多面的にとらえ、社会正義の観点から、論理的に説明できるようになる。
5. 日々の生活においてすべてが学びの機会であることを知り、授業で得た学びを自身のライフ・キャリアにどう繋げていくかを述べることができる。

授業の方法

授業では前半「ホームレスと社会問題」について、後半は「生活困窮と社会的孤立の問題」について、それぞれに講義と対話の場を設ける。また、ゲストセッションでは当事者のストーリーを聞き、課題について具体的にイメージをしながら、チームでの調査、分析をもとに解決策の提案に取り組む。
学生は異なる意見や価値観を認め、尊重するというグランドルールを守り、自らの意見を積極的にアウトプットしあうことで相互の学びへとつなげる。また、自らの気づきをもとに課題解決を考えることで、社会を構成する当事者としての視点や具体的な行動につなげられるようにする。

授業の計画

内容

「オリエンテーション」(佐野、油井)
・この科目の目的と内容を理解し、個々に目標を設定する。

講義「社会福祉の概観」(油井)
・「社会福祉」の役割や変遷を学びながら、社会構造の一つである社会的支援システムについての理解を深める。

講義「ホームレスと社会問題」(佐野)

問いと対話「ホームレス問題はなぜ起きるのか」(佐野、油井)
・社会を構成する当事者としての視点を意識しながら、講義での学びを整理、対話する

講義「課題解決にむけての事例:社会的企業「ビッグイシュー」の取り組みについて」(佐野)

ゲストセッション「当事者の話を聞く」(佐野)
・ビッグイシュー販売者の話を聞く

演習「ホームレス問題の解決策について考える」(佐野、油井)
・チームでの調査、分析を行う

発表とフィードバック①(佐野、油井)

講義「生活困窮と社会的孤立の問題」(油井)

10

問いと対話「生活困窮と社会的孤立の問題はなぜ起きるのか」(油井、佐野)
・多様な背景や価値観を持った人々が尊重される社会とはどのような社会なのかについて、講義での学びを整理しながら対話する

11

ゲストセッション「当事者の話を聞く」(油井)
・山友会の支援対象者の話を聞く

12

講義「山友会の取り組み」(油井)

13

演習「社会的孤立の問題の解決策について考える」(油井、佐野)
・チームでの調査、分析を行う

14

発表とフィードバック②(佐野、油井)

15

授業全体の振り返り
・授業全体を通しての振り返りと今後のアクションと継続的発展に向けてのコミットメントの共有(佐野、油井)

授業の計画の補足

上記は予定でありゲストの都合等で変更する場合がある。

課題に対するフィードバックの方法

毎回の授業終了時に提出する授業レポートに対して、翌回の授業冒頭でフィードバックを行い、学びの意味づけを行う。

授業時間外の学修(予習・復習等)

1.講義の前には該当するテーマに沿った事前調査を行う。
2.問いと対話セッションの前には、自身の意見や疑問を自身の言葉として語るよう内容を整理して臨む。
3.授業を通しての学びをさらに成熟させるために、授業時間外も他の履修生などと積極的に交流しダイアログ(対話)の場を自らつくる。

 

1回の授業につき予習・復習あわせて最低4時間の学修が必要となります。
「授業時間外の学修(予習・復習等)」に明記されている想定学修時間の合計が4時間を上回っている場合は、その学修時間を必要とします。

成績評価の基準と方法

成績評価の基準と方法

割合(%)

平常点(授業への参加度等)

30

小テスト

0

小レポート

30

定期試験

0

定期試験に代わるレポート

0

その他(補足欄参照)

40

成績評価の基準と方法の補足

1.授業への参加度(30%)、2.授業で学び得たことを意味づける授業レポートの提出(30%)、3.クラスへの貢献と活動成果(10%) 、4.個々の実績(30%)の合計点で評価する。
1.については授業中の主体的・能動的姿勢を評価する。
2.については毎回授業終了後に WebClass を通して提出する授業レポート(500 字以上といったように文字数を指定)の記載内容をその対象とする。
3.については設営準備等の貢献、ペア・グループワークにおけるファシリテーション等を評価する。
4.については本科目の趣旨を十分に理解した上で特にゲストセッションや演習での発言・質問、他者貢献を、総合的に評価する。
※本学学則に基づき、出席すべき時間数の 3 分の 1 以上欠席した者は、当該授業科目修了の認定を受けることができない。上記を十分に認識の上で、履修を検討のこと。

教科書

著者名

書籍名

出版社

発行年

価格

ISBN

教科書の補足

<教科書不要科目>

参考文献

著者名

書籍名

出版社

発行年

価格

ISBN

参考文献の補足

佐野章二(2017)『社会を変える仕事をしようーホームレスに10億円をもたらした企業の13年』ビッグイシュー日本 980円(Kindle版のみ)

その他、各テーマに関する書籍を授業の中で適宜紹介する。
<参考 URL>
ビッグイシュー日本 https://www.bigissue.jp/
認定NPO法人山友会 https://www.sanyukai.or.jp/

履修者への要望

学生が、授業を通して自分と違う他者と共に生きる事についての理解を深め、共生できる社会を構成する当事者としての意識をもち、今後の行動へのつなげていくことを期待する。
互いが安心して活発な意見交換ができるよう、多様な意見や価値観を尊重し、ともに社会の問題にむきあい、積極的に議論に参加する姿勢をこの科目の履修条件とする。

教員との連絡・相談方法

相談可能場所

相談可能時間

E-mail Address※ [at]は@に置き換える。

補足

非常勤講師控室

授業開始前・終了後の30分間

メールアドレスは初回授業で連絡する。面談希望者は事前にメールでアポイントを取ることもできる。

その他

備考(特記事項)